家計を節約しようと太陽光発電を設置したのに「売電収入」が得られないという悲痛な声を上げる人が相次いでいます。背景には何があるのでしょうか>
■売電で月5500円もらえるはずが…
3月に家を新築したばかりの、関東在住の男性(30)。同時に太陽光パネルも設置しましたが、期待していた「売電収入」が入らない状況が続いています。
「発電量30kWhに対して、20kWhぐらいしか使っていないので、残りは全部『売電』しているけど、お金になっていない」
入居後、しばらく経って電気料金の明細を見たところ、あるはずの「売電収入」が、どこにも記載されていませんでした。
一般的に太陽光で発電した電気は自宅で優先的に消費され、使いきれない分は蓄電池にためたり、さらに余れば電力会社に売電されたりします。
この男性の場合、アプリのデータ上では、5月は346kWhを売電したことになっていて、単価の16円で計算すれば、1カ月で5500円ほどの収入を得られるはずでした。
急いで業者に確認すると、言われたのは「手続きに時間がかかっている」という理由でした。
「『認可のところで止まっている』と聞いていますね。経産省のところで『処理待ち』みたいな。(自宅を)3月中旬引き渡しで、売電開始(予定)が8月末なので、5カ月ぐらい使えないみたいです」
太陽光発電は、春から初夏にかけてが、もっとも発電量が多くなる時期だと言われています。
「冬じゃなくて夏に発電して、年間で売れる分は売って、みたいに考えて計算して(発電設備を)入れたので。一番発電できるタイミングで売電できないというのは、クリティカル(致命的)に効いてくるかなと思っています」
■経産省の申請許可に時間
SNSを調べると同じような声を上げている人が多くいました。
「我が家の売電開始はまだまだ先になりそうです」
「いつになったら売電の申請通るんだ?」
なぜ売電開始まで、これほど時間がかかるのでしょうか?太陽光発電を手がける、ELJソーラーコーポレーションの高田直哉事業部長に話を聞きました。
「昔は1カ月ぐらいでできた。(東京で発電設置)義務化になるという話になってから(申請が)増えた。長いと半年。短くても3カ月ですね。処理の人員を増やさないから(作業が)終わらないんだろうな」
売電収入を得るには、「電力会社」と「経済産業省」に申請する必要があります。この業者は、「経産省」が申請を許可するのに時間がかかっていると指摘します。
ELJソーラーコーポレーション 高野夏実さん
「ステータスのごとに検索できるんですけど、あとどれぐらいというのが、なかなか分からないし、(経産省に)聞いても答えてもらえない」
認可にかかる分だけ前もって申請できるかというと、太陽光発電の契約から設置まで早ければ1カ月ほどで済んでしまうため、それも難しいといいます。
高田事業部長
「太陽光とか再エネをもっと増やしましょうって、政府は動いていると思うんですけど、簡単に広がらないような制度にはなっている」
番組は経産省の担当者に取材しました。
「申請が少ない時は1カ月で終わることもありますが、限られた人員と予算で対応しているので、基本的には3カ月ぐらいかかると思ってほしい」
長い期間、売電収入が得られない人がいることについてはこう答えました。
「引き続き、迅速かつ適切な審査を行ってまいりたい」
(「グッド!モーニング」2025年6月10日放送分より)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp
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